top of page
  • Youtube
  • Facebook

乳がん治療後の左右差:反対側を整える手術

5月18日
読了時間: 9分

がんの治療や再建の後に、反対側の乳房を整え、左右のバランスを近付ける手術があります。大きさを小さくする、下がった位置を上げる、大きくする、自分の脂肪を足す方法などです。治療後の体をどう整えるかという相談の一つで、受ける必要があるわけではありません。

がん治療や再建をした乳房に合わせ、反対側の大きさや位置を整える説明図

治療や再建をした乳房に合わせ、反対側の大きさや位置を整える方法があります。

この記事で読めること

左右のバランスを整える手術とは

再建だけで、左右を完全にそろえられるとは限りません。反対側が大きい、小さい、高い、低いなどの違いが残ることがあります。「対側乳房の対称化」などと呼ぶことがありますが、反対側の形を整える、という意味です。後の段階で行うことが多い調整です。

主な方法は、乳房縮小術、下がった乳房を引き上げる乳房吊り上げ術、インプラントで大きくする方法、脂肪注入の4つです。組み合わせる場合もあります。どちらが大きいか、位置や皮膚がどう違うかを見て考えます。

動画:再建した側に合わせ、反対側の乳房を小さく整える方法。

乳房温存手術の後

乳房の一部を取る温存手術と放射線治療の後に、治療した乳房が小さく、硬くなり、位置も高くなる場合があります。反対側はやわらかさを保ち、年齢とともに下がることがあるため、違いが後から目立つ場合もあります。

反対側を小さくする、引き上げる方法などがあります。治療した側の小さなくぼみへ、同時に脂肪を足す場合もあります。乳房温存と形の調整を組み合わせる手術では、最初から、反対側を後で整える計画にする場合があります。

放射線治療の後は、6か月以上など待つ例があります。治療した組織は1〜2年ほど変わる場合があり、早くそろえても、後から差が出ることがあります。実際の時期を相談してください。

乳房全切除と再建の後

全切除後の乳房は、インプラントや自分の組織でつくります。再建した側には、もとの乳房とは違う形、大きさ、位置があり、丸みや高さが異なる場合があります。体重や年齢による変化も、再建方法によって違います。特にインプラントと、自分の組織では同じではありません。

その形に合わせ、反対側を調整します。明らかに縮小が必要な場合などは、初めの再建と同時に行うこともありますが、多くは再建した側が落ち着いてから考えます。乳頭をつくる、脂肪を足すなどの処置と、まとめて行う場合もあります。

再建をしない場合も、残る乳房を小さくする選択があります。外付け人工乳房とのバランスを取りやすくする、首や肩の負担を減らすなどを考えられます。ご自分の希望を出発点にします。

インプラントで再建した場合

インプラントの乳房は、自然の乳房より硬く、丸く、高い位置にあり、上部がふっくら見える場合があります。反対側が大きく下がっている場合は、小さくしながら引き上げる方法を考えます。上の動画は、その例です。

再建した側が大きい場合は、反対側へ小さなインプラントを入れる選択もあります。自然の乳房は時間とともに下がり、インプラント側とは違う変化をするため、後で差が出ることがあります。再度の調整が必要になる場合もあります。

DIEPで再建した場合

DIEPは、おなかの皮膚と脂肪を使うため、やわらかい乳房をつくれる場合があります。自分の組織は、体重や年齢とともに変化します。そのため、インプラントより、反対側と長く似た変化をしやすい場合がありますが、同じ形が続く保証はありません。

DIEPの側が少し大きい、小さい、位置が違うこともあります。反対側の縮小や引き上げ、再建側への脂肪注入などで調整します。術後3〜6か月など、腫れが引いて形が落ち着いてから行う例があります。

4つの主な方法

小さくする:乳房縮小術

反対側が大きいときに使う方法です。乳腺、脂肪、皮膚の一部を取り、残る組織を小さく、高い形へ整えます。乳頭の位置も上げます。乳輪の周りから縦へ、さらに胸の下のしわへ続く、いかり形の傷を使うことがあります。

元の解説では、左右差を半カップ未満へ近付けることを目標の一例にしています。カップの測り方や結果には違いがあり、完全な対称を約束するものではありません。首や肩の負担、服や下着の合わせやすさが変わる方もいます。

下がった位置を上げる:乳房吊り上げ術

大きさは近くても、反対側が低い場合に考えます。余る皮膚を取り、組織と乳頭を上へ整えます。大きさは大きく変えない方法です。小さな調整なら乳輪の周り、大きな調整ならいかり形など、必要な傷は違います。

インプラントで大きくする

再建側の方が大きく、小さくするのが難しい場合などに考える方法です。両側を大きくしたいという希望が関わる場合もあります。再建した側と、大きさ、形、触れた感じを比べて選びます。下がりもある場合は、引き上げと組み合わせることがあります。

自分の脂肪で、細かな差を整える

おなかや太ももから取った脂肪を、量の足りない場所へ注入します。温存手術後のくぼみ、インプラントの端、DIEPの一部、反対側の小さな量の差などに使う場合があります。一部は吸収されるため、複数回になることがあります。

いつ行うか

初めの再建と同時に整える場合もありますが、再建した乳房の形が落ち着くのを待つ場合が多くあります。両側の手術内容も関わります。

最後の再建の処置から3〜6か月以上、放射線治療後は6か月以上などを待つ例があります。放射線を受けた組織は1〜2年ほど変わるため、時期が大切です。もっと長く待ち、暮らしの中で何を変えたいか考えてから相談してもかまいません。

費用と保険の確認

反対側を整える手術を、がん治療後の再建の一部として扱う国や制度があります。元の英語記事には、オランダ、欧州、米国の制度について説明がありますが、日本での保険適用や、ご自分の給付を保証するものではありません。

国、保険者、医療制度、処置によって条件は違い、紹介や事前承認が必要な場合もあります。手術を決める前に、病院と保険の窓口へ、対象になる処置と自己負担を確認してください。

回復の目安

元の記事では、全身麻酔で約1〜2時間、日帰りまたは1泊、机の仕事へ2〜3週間が一例です。痛みや張りには、処方された薬などで対応しますが、強さには個人差があります。重い物や強い運動は約6週間など制限します。入院と再開時期は、行う手術と医療チームの方針に合わせます。

数か月かけて腫れが減り、乳房の組織が落ち着きます。傷は最初の1年などをかけて薄くなる場合がありますが、残ります。日差しから守ることや、傷のケアも相談してください。

考えておきたいことと、リスク

がんの治療をしていない側にも手術をするため、次の点を担当医と話しましょう。

  • 反対側の形を変える処置は、元に戻せるとは限らず、新しい傷が残ります。

  • 乳頭や乳房の感覚が変わり、一時的な場合も、長く残る場合もあります。

  • 縮小や大きな引き上げの後に、授乳が難しくなる場合があります。

  • 乳頭の一部が失われるリスクがあります。元の解説には大きな縮小で約3〜5%という例がありますが、術式や条件で異なります。

  • 放射線治療を受けていない乳房が、治療した側やインプラント側より下がり、後で差が出る場合があります。

  • 出血、感染、傷の治りの遅れなども起こり得ます。

治療を重ねた後に、反対側も手術するか迷うことがあります。急いで決める必要はありません。医療チーム、身近な人、信頼できる患者支援の相談先と話し、ほかの方の経験も一つの参考として聞けます。

よくある質問

左右のバランスを整える手術とは、何ですか?

がん治療や再建をした側に近付けるため、反対側の乳房の大きさや位置を整える手術です。小さくする、引き上げる、インプラントで大きくする、脂肪を足す方法などがあります。

保険は使えますか?

国、制度、保険者、手術内容で異なります。がん治療後の再建として扱う制度もありますが、日本の適用をこのページで判断することはできません。予定する処置について、病院と保険の窓口へ事前に確認してください。

温存手術、放射線治療、再建から、どのくらい待ちますか?

最後の再建の処置から3〜6か月、放射線治療から6か月以上などが一例です。治療した側が変化するため、時期を待つ意味があります。ご自分の経過と希望に合わせて決めます。

痛みは、どのくらいありますか?

最初の数日は、痛みや張りが出る場合があります。飲み薬などで対応しますが、全員が軽いとは限りません。元の記事には日帰りや1泊、机の仕事へ2〜3週間という例があります。痛みが増すときや、薬で抑えられないときは、医療チームへ伝えてください。

乳頭の感覚は、なくなりますか?

縮小や大きな引き上げで、感覚が変わる場合があります。6〜12か月ほどで改善する方も、一部の低下が長く残る方もいます。神経をできるだけ守りますが、感覚が戻る保証はありません。

傷は、どこに残りますか?

乳輪の周り、そこから下への縦の線、胸の下のしわなどに、術式に応じて傷ができます。最初の1年などで薄くなる場合がありますが、完全には消えません。

再建から何年も後に、相談できますか?

はい。がんの治療や再建から何年か後でも、相談できます。再建した胸で暮らしてみて、変えたい点がわかってから考える方もいます。実施できるかは、現在の体の状態などを確認します。

担当医に聞きたいこと

  • 私の場合は、縮小、引き上げ、インプラント、脂肪注入のどれを考えますか?

  • 放射線治療と再建の経過から、いつがよいですか?

  • 傷は、どこにでき、1年後にはどう変わる可能性がありますか?

  • 乳頭の再建や、再建した側への脂肪注入と、まとめてできますか?

  • 私の処置の費用と、保険の条件は何ですか?

元の内容:乳房再建を専門とする形成外科医Dr. Mahyar Foumani。本「Breast Reconstruction Explained」に基づきます。

この記事は一般的な学習情報です。個別の医学的助言ではありません。

乳房再建の仕組みを、やさしい言葉で説明します。選択肢を知り、担当医と一緒に考えるための情報です。個別の診察や医学的助言の代わりにはなりません。

一人ひとりの状況は違います。適した方法は、体の状態、病気、治療、ご自分の希望で変わります。担当医療チームの指示に従ってください。症状や心配があれば、担当医やかかりつけ医に相談しましょう。緊急の場合は、お住まいの地域の救急窓口へ連絡してください。

続けて読む

元の医療情報の著者:Dr. Mahyar Foumani、オランダの形成外科医。

オランダの医療者登録番号(BIG):79913128001。A Kliniekenの公開プロフィールでは、NVPC会員とEBOPRAS Fellowの資格が示されています。

日本語は、元の英語の医療情報に基づいて書き直しています。日本語版に対する、新たな独立した医師の審査は行っていません。元の記事の確認日は、日本語を同じ日に確認したことを示しません。

コメント


bottom of page