脂肪注入で乳房全体をつくる:方法と限界
更新日:2 日前

乳房切除の後に、自分の脂肪を少しずつ注入し、乳房全体をつくる方法があります。大きな皮弁の移植やインプラントを使わずに行える場合がありますが、誰でも選べるわけではありません。複数の手術と、時間が必要です。使える脂肪、残る皮膚、希望する大きさを見て考えます。
脂肪だけで、乳房全体をつくるとは
おなか、太もも、わき腹などから脂肪を吸引し、胸へ移します。脂肪注入は、ほかの方法で再建した胸のくぼみや形の調整にも使います。乳房全体をつくる場合は、数か月ごとなどに繰り返し、残った脂肪の量を見ながら、形と大きさを増やします。希望の量まで必ず増やせるとは限りません。
処置の流れ
主に、次の3段階を、何回かの手術で繰り返します。
脂肪を取る:おなか、太もも、わき腹、おしりなどから、管を使って吸引します。移した細胞をできるだけ保つため、採り方と吸引の強さを調整します。脂肪を取る場所にも、小さな傷と回復が必要です。
脂肪を整える:遠心分離、洗浄、ろ過などで、水分や不要なものを分けます。使える脂肪を準備する段階ですが、これだけで生着を保証するものではありません。
少しずつ入れる:胸のさまざまな層と場所へ、少量ずつ注入します。脂肪を大きな塊にせず、周囲から血流を得やすくするためです。それでも一部は残らず、吸収される場合があります。
元の記事では、1回の処置は片側約1時間、日帰り、全体で3〜5回、1〜2年が一つの例です。実際には、希望する大きさ、脂肪の残り方、採れる量などで、回数と期間が変わります。
外から皮膚を広げる機器:BRAVA・EVE
BRAVAやEVEなど、胸を外から吸引して広げる機器を、組み合わせる方法があります。脂肪を受け入れる場所を準備し、血流や組織の広がりを助けることを目指します。原文には、各処置の前後約2週間、1日約10時間を使う例がありますが、製品や計画によって違います。全員に必要な方法ではなく、効果を保証するものでもありません。装着時間、皮膚の刺激、使える機器は、担当チームに確認してください。
別の方法では、体内の組織拡張器で場所をつくった後、量を少しずつ減らしながら脂肪を足します。十分に脂肪が残れば拡張器を取り、自分の脂肪を残す計画です。何回の処置が必要かを、あらかじめ相談します。
考えられる利点
インプラントを残さず、自分の脂肪で、やわらかさや形を目指せます。筋肉を取らず、脂肪を取る場所と注入する場所に小さな傷をつくります。大きな皮弁の手術より、1回ごとの負担が軽い場合があります。段階ごとに量を見直せる点も特徴です。採取した場所が細くなることを好む方もいますが、へこみや左右差が出る場合もあります。乳房切除の傷は残り、小さな処置でもリスクがないわけではありません。
負担と、限界
移した脂肪が残る量は一定ではありません。元の解説では40〜70%という例を使っていますが、組織の状態や方法で変わり、残りは吸収されます。複数回の処置が必要で、最終の量は予測しきれません。外からの拡張には、長い装着時間と皮膚の刺激もあります。採取した場所のでこぼこ、胸の脂肪の袋や石灰化、硬いしこりなどができる場合があります。画像で別の原因と区別することも必要です。使える脂肪が少ない方には、量の限界があります。
回復の目安
大きな皮弁の手術より、1回の回復は短い場合があります。日帰りの例があり、採取した場所の内出血、腫れ、痛みは1〜3週間など、胸の腫れは3〜6週間などかけて変わります。軽い活動へ数日、日常の活動へ1〜2週間が原文の目安ですが、運動や仕事は個別の許可に合わせます。採取した場所の圧迫着なども、指定された使い方を守ります。
どのような場合に、考えますか?
乳頭や皮膚を残した切除の後など、脂肪を受け入れる皮膚があり、おなかや太ももなどから採れる脂肪も必要です。インプラントや大きな皮弁を希望せず、1〜2年などの段階的な処置を受け入れられるかも考えます。以前の手術や持病で皮弁が難しい方の選択肢になる場合もありますが、別の方法が難しいから、必ず脂肪注入ができるわけではありません。
よくある質問
乳房全体をつくるには、何回必要ですか?
元の解説では3〜5回、3〜6か月の間隔、全体で1〜2年が一例です。大きさ、皮膚と組織の状態、毎回残る脂肪、採れる量で変わり、それ以上必要な場合もあります。
毎回、どのくらいの脂肪が残りますか?
原文では40〜70%という例を紹介していますが、個人の生着率を予測するものではありません。残らない分は、数週間などで吸収されます。外からの拡張が役立つ場合もありますが、必ず大きく改善するとはいえません。
乳がんの治療後でも、考えられますか?
治療後の再建として使われています。臨床研究では、脂肪注入による再発の明らかな増加は示されていませんが、長期のデータには限界があります。放射線で傷んだ組織の状態を整える目的で使う場合もありますが、脂肪に含まれる細胞が必ず治すという意味ではありません。通常の脂肪注入と、細胞を増やす特別な治療も別です。がんの経過観察を続け、ご自分への適応を、がん治療医と形成外科医へ相談してください。
BRAVAは、必ず必要ですか?
必ずではありません。BRAVAやEVEなどで胸の組織を外から広げて、注入の準備をする方法があります。原文の装着例は前後約2週間、1日約10時間ですが、自己判断で使う指示ではありません。機器と手術の計画に合わせて、必要性と使い方を確認します。
ほかの方法と、組み合わせられますか?
はい。拡張器で広げた場所へ、段階的に脂肪を足し、最後に拡張器を取る方法があります。また、インプラントや皮弁でつくった乳房のくぼみや輪郭を整えるためにも、脂肪注入を使う場合があります。
元の内容:乳房再建を専門とする形成外科医Dr. Mahyar Foumani。本「Breast Reconstruction Explained」に基づきます。
関連する記事
この記事は一般的な学習情報です。個別の医学的助言ではありません。
乳房再建の仕組みを、やさしい言葉で説明します。選択肢を知り、担当医と一緒に考えるための情報です。個別の診察や医学的助言の代わりにはなりません。
一人ひとりの状況は違います。適した方法は、体の状態、病気、治療、ご自分の希望で変わります。担当医療チームの指示に従ってください。症状や心配があれば、担当医やかかりつけ医に相談しましょう。緊急の場合は、お住まいの地域の救急窓口へ連絡してください。
相談したいことを準備しましょう
続けて読む
元の医療情報の著者:Dr. Mahyar Foumani、オランダの形成外科医。
オランダの医療者登録番号(BIG):79913128001。A Kliniekenの公開プロフィールでは、NVPC会員とEBOPRAS Fellowの資格が示されています。
日本語は、元の英語の医療情報に基づいて書き直しています。日本語版に対する、新たな独立した医師の審査は行っていません。元の記事の確認日は、日本語を同じ日に確認したことを示しません。
補足の出典と、関連する情報




コメント