乳房インプラントを筋肉の上に置くか、下に置くか
乳房インプラントは、大胸筋の上(前)に置く方法と、下に置く方法があります。どちらも行われている方法で、すべての場合に一方がよいとは言えません。残る皮膚の状態、乳房の大きさ、放射線治療、本人の希望が関係します。
この記事で読めること
筋肉の上と下は、どの場所ですか?
胸の外側には皮膚と脂肪があり、その奥に大胸筋、さらに肋骨があります。乳房全切除では、その間にある乳腺を取り除きます。残る皮膚と筋肉の状態を見て、器具を置く場所を考えます。
筋肉の上:皮膚と脂肪のすぐ下で、大胸筋の前に置きます。器具のために筋肉をはがす必要がありません。
筋肉の下:筋肉の下側を一部はがし、その下に器具を置きます。器具の下端は筋肉で覆えないことがあり、皮膚やメッシュなどを使います。
再建には、どのような段階がありますか?
乳房切除で、がんの安全性が許す範囲の皮膚を残す場合があります。皮膚を残す方法と、乳頭・乳輪も残す方法では違いがあります。乳房の下のしわや横などから切る場合もありますが、傷の位置と長さは個人ごとに決めます。
状態のよい皮膚が十分にあれば、最初からインプラントを入れる一期再建を考える場合があります。二期再建では、先に組織拡張器を入れ、広げてから交換します。どちらも筋肉の上や下で行う場合があります。切除と同時に始めるかという時期の区分は、手術の段階数とは別です。
全体の流れは、組織拡張器とインプラントによる再建のガイドで詳しく読めます。
筋肉の上に置く方法の利点と注意
器具のために筋肉をはがさずに済むことから、次の利点を考えます。
筋肉を伸ばさないため、初めの痛みが少ないと感じる方がいます。
筋肉に力を入れたときに胸が動く、アニメーション変形を避けやすくなります。
器具が筋肉の動きに引かれにくく、胸の動きや形が自然に見える場合があります。
一方、器具と外側の間にあるのは、残る皮膚と脂肪です。次の点に注意します。
特にやせた方では、器具の縁が見える、触れやすい場合があります。
器具のしわが透ける、リップリングという波打ちが起こる場合があります。
十分な厚みと血流が必要です。不十分だと、傷や露出の問題が増えます。
器具を支えるため、メッシュやADMを使う場合があります。
縁や波打ちが気になる場合、皮膚の下へ自分の脂肪を足し、目立ちにくくする方法を考えることがあります。
筋肉の下に置く方法の利点と注意
筋肉が、器具の上を覆う層になります。長く使われてきた方法の一つです。
上側に厚みが加わり、器具の縁や波打ちが見えにくい場合があります。
皮膚の傷に問題が起きた場合、筋肉の層が器具を覆う役割を持ちます。
この方法にも、次のような負担があります。
筋肉に力を入れると、胸がゆがむ、器具が上へ動く場合があります。運動や生活で気になる方もいます。
筋肉をはがして伸ばすため、最初の数週間に、痛みや張りが強く出る場合があります。
どの器具にも周りの膜ができ、硬く痛くなる場合があります。置く場所と被膜拘縮のリスクの関係には、まだ検討が続いています。
メッシュとADMは、何に使いますか?
ADMは、人や動物の真皮から細胞を取り除き、処理した材料です。メッシュは細かい人工の網です。自分の組織が入り込む支えとして使う場合があり、材料による違いもあります。
筋肉の上では、器具の全体を包むように使う場合があります。筋肉の下では、筋肉が覆えない下端を、ハンモックのように支える使い方があります。
どの施設でも使う標準の処置、というわけではありません。液体のたまりや感染が多い研究も、差がない研究もあります。自分の計画で、何を、なぜ使うか、地域での使用条件も聞いてください。
放射線治療との関係
放射線で胸の皮膚や組織が硬く、薄く、血流が少なくなる場合があります。どちらの位置でも、傷の問題や被膜の硬化が起こりやすくなります。
皮膚が薄い場合に筋肉の覆いを考えることも、状態がよく筋肉の上を考えることもあります。先に拡張器を使う計画などもありますが、放射線と拡張器にも注意が必要です。照射の前後を含め、チームで計画します。
詳しくは、放射線治療と、再建の選択肢をお読みください。
どの条件で選びますか?
固定された一つのルールはありません。手術前に希望と代案を話し、手術中にも皮膚の血流を確認します。主に次の点を考えます。
皮膚:厚みと血流が十分なら、筋肉の上を考えやすくなります。薄い、照射を受けた皮膚では、覆いを慎重に考えます。
体格:やせた方では、筋肉の上の器具が目立ちやすい場合があります。
放射線:以前の治療も、これからの治療も、方法と時期に関わります。
活動と希望:運動や、筋肉による胸の動きを避けたい気持ちも伝えます。
施設の経験:どの方法をよく行い、どのような結果やリスクがあるかを聞きます。
回復には、どのような違いがありますか?
両方とも入院は数日、管は約1〜2週間という例がありますが、施設と処置で違います。初めは重い物や肩より高い動作を控える場合があります。ご自分の具体的な制限を確認してください。
筋肉の上では、はがす負担がなく、痛みが少ないと感じる方がいます。下では初めの張りが強く、数週間で軽くなる場合があります。運動や重い物は、約6週間などの目安だけで決めず、チームに許可を確認して戻します。
後から、下から上へ変えられますか?
筋肉による動きや、続く痛みが大きな負担なら、位置を変える手術を考える場合があります。筋肉を胸の壁へ戻し、器具を前へ置きます。薄い覆いには、脂肪や支持する材料を加える場合があります。
位置を変える手術自体にもリスクがあります。負担の程度と期待する改善を確かめ、少量の脂肪注入など、より小さな処置を考える場合もあります。
自分の組織を使う方法もあります
インプラントだけが選択肢ではありません。DIEPなどで下腹部の皮膚と脂肪を移す方法は、自分のやわらかい組織を使い、放射線後にも検討します。一方、手術が長く、おなかも含めた回復が必要です。
比べたい方は、インプラントとDIEPの違いと、おなかの組織を使うDIEP法をご覧ください。
よくある質問
筋肉の上に置く再建とは?
皮膚と脂肪の下、大胸筋の前に器具を置きます。筋肉のための剥離を避けられ、力を入れた際の変形を抑えやすい一方、十分な厚みと血流が必要です。
筋肉の下に入れるとは?
大胸筋の下側を一部はがし、その下に器具を置きます。上側を覆う組織が増える一方、筋肉の動きに合わせた胸の変形や、初めの張りを考えます。
筋肉の上に置けるのは、どのような場合ですか?
切除後に十分な皮膚の厚みと血流がある場合に検討します。とても薄ければ、筋肉の下や別の方法を考えることがあります。手術中の状態でも変わるため、代案を聞いておきます。
インプラントによる再建とは?
シリコンや生理食塩水の人工物で、乳房の形をつくります。胸以外から組織を取らず、筋肉の上や下へ置く方法があります。使える製品は地域で違います。
皮膚を残す乳房切除とは?
乳腺を取り、がんの安全性が許す範囲で、外側の皮膚を残す方法です。器具や組織で内側を補える場合がありますが、もとの形や大きさがそのまま保たれる保証ではありません。
小さな傷から切除できますか?
乳房の下のしわや横から切る場合はあります。がんの位置、大きさ、血流などで、必要な傷を決めます。小さい傷だけを目的に、安全な切除を狭めることはしません。
放射線治療後は、どちらへ置きますか?
硬さと血流、傷のリスクを評価し、上か下か、器具を使うか、自分の組織が合うかを相談します。どちらの位置でも、放射線の影響はなくなりません。
筋肉の下から上へ、変えられますか?
困る動きや痛みがある一部の方で、考える場合があります。筋肉を戻して器具を前へ移し、必要なら脂肪や材料で覆いを補います。追加手術のリスクも確認します。
担当医に聞きたいこと
私にはどの位置を勧めますか? 理由は何ですか?
切除後の皮膚の状態を、どう判断しますか?
メッシュやADMを使いますか? 私には何が変わりますか?
放射線治療が必要なら、選択にどう影響しますか?
後で位置が気になる場合、どのような対応がありますか?
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元の内容:乳房再建を専門とする形成外科医Dr. Mahyar Foumani。本「Breast Reconstruction Explained」に基づきます。
この記事は一般的な学習情報です。個別の医学的助言ではありません。
乳房再建の仕組みを、やさしい言葉で説明します。選択肢を知り、担当医と一緒に考えるための情報です。個別の診察や医学的助言の代わりにはなりません。
一人ひとりの状況は違います。適した方法は、体の状態、病気、治療、ご自分の希望で変わります。担当医療チームの指示に従ってください。症状や心配があれば、担当医やかかりつけ医に相談しましょう。緊急の場合は、お住まいの地域の救急窓口へ連絡してください。
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元の医療情報の著者:Dr. Mahyar Foumani、オランダの形成外科医。
オランダの医療者登録番号(BIG):79913128001。A Kliniekenの公開プロフィールでは、NVPC会員とEBOPRAS Fellowの資格が示されています。
日本語は、元の英語の医療情報に基づいて書き直しています。日本語版に対する、新たな独立した医師の審査は行っていません。元の記事の確認日は、日本語を同じ日に確認したことを示しません。




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